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    <title>オトナになっても</title>  
    <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/</link>  
    <description>□■□　長編は「書架の背表紙」（目次）からどうぞ　□■□</description>  
    <language>ja</language>  
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    <item> 
      <title>お知らせ</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>いつもお越しくださいます皆様、ありがとうございます</p>
<p>さてさて、永らくこちらにお世話になっておりましたが、引越しすることに決めました</p>
<p>もともとこちらのシステムに合致しない使い方をしていたので、いくつか不便に感じるところがありました</p>
<p>加えて、最近ＮＧワードの規制が厳しくなってきているようで、過去記事に読めないものが出てきました</p>
<p>もちろん、こういったスペースを健全に運営していく上では必要なことだと思いますし、私の配慮不足で非公開扱いになってしまうのは仕方のないことだと思います</p>
<p>が、やはりそれでは表現しきれないと感じる部分もありますので、そうなると・・・ということです</p>
<p>現在更新の滞っている分、「起承転結」の「結」の更新を終えましたら、こちら、アメーバ本宅と呼び習わしております当ブログの更新は終了とさせていただきます</p>
<p>今現在こちらにて公開している作品は、そっくり引越し先に移動させるか、このまま残しておくかは検討中です</p>
<br />
<p>決意が固まりましたので、ひとまずのお知らせでした</p>
<p>詳しくはまたいずれ</p>
<br />
<br />
<br />
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-11054239815.html</link>  
      <pubDate>Fri, 21 Oct 2011 00:06:21 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item>
      <title><![CDATA[PR: 積水ハウスの「すまいすまいる」]]></title>
      <link>http://rss.rssad.jp/rss/ad/eAIu0VikUSMl/BjLDm_fl54Hc?type=2&amp;ent=469ad66decdeae42c019fdfc2f86fbb6</link>
      <description><![CDATA[<table cellspacing="0" cellpadding="0"><tbody><tr><td align="left" valign="center"><a href="http://rss.rssad.jp/rss/ad/eAIu0VikUSMl/BjLDm_fl54Hc?type=2" target="_blank"><img alt="" style="border: 0;" border="0" src="http://rss.rssad.jp/rss/img/eAIu0VikUSMl/BjLDm_fl54Hc?type=2&ent=469ad66decdeae42c019fdfc2f86fbb6"/></a></td></tr><tr><td align="left" valign="top" > 子育て,共働き,ペット…。ライフスタイルから考える楽しい家づくりサイト。 </td></tr></tbody></table><div style="font-size:10px;"><span style="padding-top:5px;"><br style="display:none"/><a href="http://www.rssad.jp/trendmatch/trendmatch.html">Ads by Trend Match</a></span><br/></div><img border="0" width="1" height="1" src="http://rss.rssad.jp/rss/ibfeed/eAIu0VikUSMl/BjLDm_fl54Hc"/>]]></description>
      <pubDate>Fri, 21 Oct 2011 00:06:21 +0900</pubDate>
    </item>
    <item> 
      <title>２</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>「ねえ」</p>
<br />
<br />
<p>　何も特別じゃない日。</p>
<p>　何も特別じゃないタイミング。</p>
<p>　ふたりきりの部屋で私がそう声をかければ、あなたは微かに鼻で返事をする。</p>
<br />
<br />
<p>「ん？」</p>
<br />
<br />
<p>　明らかにしない声。</p>
<p>　こもって聞こえるその声までが愛しい。</p>
<br />
<br />
<p>「好きよ」</p>
<br />
<br />
<p>　言ってやった。</p>
<p>　真っ直ぐ目を合わせて。</p>
<p>　挑むように、ではなく、挑んでいるのだということは、きっとあなたはわかっていない。</p>
<p>　だってその顔には、何を急に、って書いてあるもの。</p>
<p>　それでもわかってくれたかしら。</p>
<p>　今まで私が一度もその言葉を口にしたことがなかったということを。</p>
<p>　あなたは一度だって私に求めなかったもの。</p>
<p>　私の気持ちは知ってるって、初めてキスしたときにもそう言われたから。</p>
<p>　でも、本当にそうかしら。</p>
<p>　私の気持ちも、考えてることも？</p>
<p>　自信たっぷりというか・・・有無を言わせない、ってこういうことなんだわと、思わず感心してしまうくらいに言い切られるから、なんとなく逆らえずに頷くことがあったってことも？</p>
<p>　あなたが私の気持ちを知っていた ―― わかっていたとしても私はあなたのことなんてちっともわかってない。</p>
<p>　知らない。</p>
<p>　なにひとつ。</p>
<p>　私が知りたいことは、なにひとつ。</p>
<p>　部内の飲み会でアルコールが進むと必ず誰かが持ち出す、職場結婚して、今は子育てに専念している奥さんのこと。</p>
<p>　どれくらい綺麗だったか。</p>
<p>　お菓子もお料理も、教室でも開いて教えればいいのにって言われるくらいの腕前で、それでもそうしないで慎ましやかに家庭を守っていること。</p>
<p>　私が知りたいのは、皆が知ってるそんなことじゃない。</p>
<p>　私が知りたいのは、皆が知らないこの関係の理由。</p>
<p>　何が不満なの？</p>
<p>　何が欲しいの？</p>
<p>　それ以上。</p>
<p>　どうして私なの？</p>
<p>　本当に私なの？</p>
<p>　疑問を口にする代わりに、私は口を噤んできた。</p>
<p>　多分、こんな関係を結ぶ時には必要なはずの言葉 ―― 私の気持ちを、言葉にしたことがなかった。</p>
<p>　知ってるなら、改めて言う必要はないでしょう？</p>
<p>　そうしていつか、忘れた頃に言ってやる。</p>
<p>　知ってるよ ―― きっとそう言うだろうけど。</p>
<p>　なんだ急に ―― そう言わせたら・・・。</p>
<p>　私の勝ちだ。</p>
<p>　根拠はないけど、なんとなく。</p>
<p>　そして、それは、今。</p>
<p>　ゆっくりと瞬いて、静かな目が私を見詰める。</p>
<p>　一瞬遅れて口元が微かに綻ぶ。</p>
<br />
<br />
<p>「いいね。艶っぽい」</p>
<br />
<br />
<p>　違う！</p>
<p>　私が聞きたかったのはそんな言葉じゃない！</p>
<p>　開きかけた私の唇が、素早く塞がれた。</p>
<p>　私がそれ以上口を開かないようにとごく軽く口付けられたのかと思ったそれは、想像以上にひどく濃厚なものだった。</p>
<p>　身動きできないように抱き竦められた私の耳に、どうしようもなく淫靡な水音が響く。</p>
<p>　その強引さは、確かにいつもあなたが言うように、嫌えるようなものではないけれど・・・。</p>
<p>　侵入し、絡め取る彼の舌は、私の舌だけでなく心もまた同じように自分のものとしていく。</p>
<p>　いつもならただその感覚に逆らわず、彼と同化する自分を愉しむだけだけれど、今は・・・嫌。</p>
<p>　そうじゃない、そうじゃないっ！</p>
<p>　潤み始める自分の体が厭わしく思える。</p>
<p>　心と体は別だなんて、そんな安いことに気付きたくない。</p>
<p>　私は勝ちたかっただけ。</p>
<p>　あなたを驚かせて、一緒に過ごした時間は永くても、これから先の時間も愉しめる相手なんだってことを認めてほしかっただけ。</p>
<p>　それなのに・・・。</p>
<p>　腕の中から逃げ出すこともできずに、それでもこのままでいたら泣いてしまう・・・涙の溢れ出るところが熱くなり始めたとき。</p>
<p>　ほんの僅かだけ、唇が離れた。</p>
<br />
<br />
<p>「嬉しいよ。知っていても、そう言われるのは」</p>
<br />
<br />
<p>　囁く低い声にも抱き竦められて、私はやっぱり身動きできないままだった。</p>
<br />
<br />
<p>「言ってくれ。もっと・・・何度でも」</p>
<br />
<br />
<p>　確かにそう言ったはずなのに、離れた唇がまた重ねられて、彼が求めてくれた言葉を、私は口にすることができなかった。</p>
<p>　好きよ。</p>
<p>　好きなの。</p>
<p>　ただ心の中でそう繰り返すだけだった。</p>
<br />
<br />
<br />
<p>　 ―― Ｆｉｎ</p>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-11027474845.html</link>  
      <pubDate>Sun, 25 Sep 2011 12:00:00 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>－目次－　 起承転結</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p><font size="2"><br />
</font></p>
<p><font size="4">起承転結<font color="#ff0000">　※ゆっくりペースにて更新再開しました</font></font><font size="4"><br />
</font></p>
<p><font size="4"><br />
<font color="#ff0000"><br />
</font></font></p>
<p>起：陵の見解　－４－</p>
<p><a href="http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10672287151.html" target="_blank"><font color="#fa8072" target="_blank">【 １ 】</font></a>
 <font color="#fa8072">　</font><a href="http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10672332033.html" target="_blank"><font color="#fa8072" target="_blank">【 ２ 】</font></a>
 <font color="#fa8072">　</font><a href="http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10672360721.html" target="_blank"><font color="#fa8072" target="_blank">【 ３ 】</font></a>
 <font color="#fa8072">　</font><a href="http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10672341132.html" target="_blank"><font color="#fa8072" target="_blank">【 ４ 】</font></a>
 </p>
<br />
<p><br />
<br />
<br />
</p>
<p>承：舞の憂鬱　－５－</p>
<p><a href="http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10678840272.html" target="_blank"><font color="#fa8072" target="_blank">【 １ 】</font></a>
 <font color="#fa8072">　</font><a href="http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10679439049.html" target="_blank"><font color="#fa8072" target="_blank">【 ２ 】</font></a>
 <font color="#fa8072">　 </font><a href="http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10679686926.html" target="_blank"><font color="#fa8072" target="_blank">【 ３ 】</font></a>
 <font color="#fa8072">　</font><a href="http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10679696721.html" target="_blank"><font color="#fa8072" target="_blank">【 ４ 】</font></a>
 <font color="#fa8072">　</font><a href="http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10680216873.html" target="_blank"><font color="#fa8072" target="_blank">【 ５ 】</font></a>
 </p>
<br />
<br />
<br />
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10863590088.html</link>  
      <pubDate>Fri, 22 Jul 2011 11:30:00 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>Baby,welcome</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>やあ</p>
<p>人生へようこそ</p>
<br />
<br />
<br />
<p>もしかしたらキミに会うことは</p>
<p>ないのかもしれないけど</p>
<p>それでも</p>
<p>キミが生まれて来てくれて</p>
<p>とても嬉しい</p>
<br />
<br />
<br />
<p>キミに</p>
<p>教えてあげなくちゃいけないことがある</p>
<p>キミよりも</p>
<p>ずっとずっと以前(ﾏｴ)に生まれた人が</p>
<p>少し偉そうにそう言い出したら</p>
<p>キミは</p>
<p>おとなしく耳を傾けなきゃいけない</p>
<p>後から生まれた人は</p>
<p>先に生まれた人を追い越すことはできない</p>
<p>抗えない</p>
<p>運命ってヤツなんだよ</p>
<br />
<br />
<p>そう</p>
<p>まず一番最初に</p>
<p>喜べ</p>
<p>キミのママは</p>
<p>かわいくてグラマーだ</p>
<p>ユーモアのある賢い女性でもある</p>
<p>なんて贅沢な境遇だろう</p>
<p>キミは幸福だ</p>
<br />
<p>でも</p>
<p>キミが踏み出した</p>
<p>人生っていうヤツは</p>
<p>残念ながら</p>
<p>良いことばかりじゃない</p>
<p>悲しいことや</p>
<p>苦しいこと</p>
<p>つらいことが</p>
<p>たくさんある</p>
<p>でも大丈夫</p>
<p>それを上回る</p>
<p>楽しいことや</p>
<p>嬉しいこと</p>
<p>素晴らしいことの方が</p>
<p>もっともっと</p>
<p>たくさん</p>
<p>キミを待ってる</p>
<br />
<br />
<p>いっぱい泣いて</p>
<p>いっぱい笑って</p>
<p>いっぱい悩んで大きくなったら</p>
<p>いつかキミも</p>
<p>誰かに人生ってヤツを語るようになるだろう</p>
<p>それまでまだまだ時間をかけて</p>
<p>どうか素敵な大人になって</p>
<p>人生とは</p>
<p>斯くも楽しいものなのだと</p>
<p>いつか誰かに</p>
<p>伝えてほしい</p>
<br />
<br />
<br />
<p>キミの素敵な人生は</p>
<p>今</p>
<p>始まったばかりだね</p>
<br />
<p>Baby,welcome</p>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10943877936.html</link>  
      <pubDate>Tue, 05 Jul 2011 02:00:48 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>起承転結：転　　貴虎の憂鬱12（終）</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>「こんな・・・こと・・・で・・・いい、の？」</p>
<br />
<br />
<p>　降ってきた声が俺の顔を上げさせた。</p>
<p>　そこには俺が危惧したような ―― 俺を蔑むような表情は欠片もなくて、ただそこにはいつもと何も変わらない優しい笑顔があった。</p>
<p>　それまでも、こんなにも柔らかい表情を向けられることに慣れることができなくて、俺はいつもどんな表情をしていいのかわからなかった。</p>
<p>　いつもより更に表情の選択に困って俯くと、もう一度舞ちゃんが自分の胸に俺を埋めた。</p>
<p>　その手が今度は俺の頭を優しく撫でる。</p>
<p>　断片的に理解できている事実が鼓動が早めて、息苦しかった。</p>
<p>　ああでも、「こんなこと」・・・。</p>
<p>　舞ちゃん、俺は「こんなこと」が欲しくて、「こんなこと」が与えられなかったんだよ。</p>
<p>　改めて望むようなことでもないような、「こんなこと」なのに。</p>
<br />
<br />
<p>「トラ・・・くん。甘え・・・る、って・・・こんな・・・で・・・いいの？」</p>
<p>「舞ちゃん・・・俺・・・」</p>
<p>「うん。・・・なあに？」</p>
<p>「俺・・・こんな・・・ことが・・・してほしくて・・・でも俺・・・」</p>
<p>「あ・・・ごめんね。そういう・・・『こんな』じゃ・・・ない・・・の。もっと・・・なんだか、すごい・・・特別な・・・何かなの・・・かな・・・って」</p>
<p>「全然。こんなこと、なんだ」</p>
<p>「そう・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　つまらない男だと、舞ちゃんは俺をそんなふうに思うだろうか。</p>
<p>　きっと今、その顔に表れているだろう舞ちゃんの気持ちを確かめることができなくて、俺はただ、じっとしているだけだった。</p>
<br />
<br />
<p>「あの・・・ね。よかった、って・・・思ったの」</p>
<p>「・・・よかった？」</p>
<p>「うん。あたし・・・にも・・・できる・・・こと、で」</p>
<p>「え・・・」</p>
<p>「だから・・・よかった」</p>
<br />
<br />
<p>　想像もしなかった言葉に思わず身じろぎすると、俺を抱き締めていてくれた腕がそっと解かれた。</p>
<br />
<br />
<p>「よかった」</p>
<p>「舞・・・ちゃ・・・ん」</p>
<p>「ねえ・・・トラくん。それ・・・誰か・・・に・・・言った・・・こと・・・ある？」</p>
<p>「・・・ある、けど。俺はそういうこと言わなさそう、とか。そういう評価」</p>
<p>「・・・」</p>
<p>「いっぺんそんなふうに言われちゃうと、さ。なんかもう・・・言えなくて」</p>
<p>「もしか・・・したら、きちんと・・・言ったら・・・今までも・・・いたかも・・・しれない・・・のに・・・」</p>
<p>「え？」</p>
<p>「でも・・・もう、いいよね？　もう・・・探さない・・・よ・・・ね？」</p>
<p>「探す、って・・・」</p>
<p>「こう・・・トラくんの・・・こと・・・抱き締める・・・のは・・・あたしだけ・・・で・・・いい・・・でしょ？」</p>
<p>「舞ちゃん・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　もう一度抱いてくれた腕が、胸が、信じられないくらい優しくて柔らかくて、もしかしたらこれは夢なんじゃないかと思いながら俺は目を閉じた。</p>
<p>　―― 夢だ、これは。俺をこんなふうに抱き締めてくれる人なんて・・・それが舞ちゃんなわけあるか。きっと・・・舞ちゃんにこんなふうにしてほしすぎて・・・夢に見てるだけだ。夢だ、夢。ずいぶんリアルだけど。</p>
<p>　柔らかな胸に頬をすり寄せてみた。</p>
<p>　夢ならいいじゃないか。</p>
<p>　何をしたって。</p>
<p>　「夢」が俺の額にくちづけてくれて、俺は夢を確信した。</p>
<p>　―― ほら。夢だ。</p>
<br />
<br />
<p>「舞ちゃん・・・初めて会ったときから・・・一目惚れだったんだよ、俺。好きだ・・・舞ちゃん、大好きだ・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　一箇所だけじゃなくて、頬、鼻、また額、と何度もくちづけてくれる優しい唇が、俺の唇に重ねられる寸前。</p>
<br />
<br />
<p>「あたしも・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　そう聞こえた気がした。</p>
<p>　もう目が覚めなくていい。</p>
<p>　このまま、ずっと。</p>
<br />
<p>　 ―― Fin</p>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<a href="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access2.php?citi_cont_id=349013303" target="_blank"><img width="88" height="31" src="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access.php?citi_cont_id=349013303&amp;size=88" border="0" complete="true" /></a>
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10901384683.html</link>  
      <pubDate>Tue, 24 May 2011 10:00:00 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>起承転結：転　　貴虎の憂鬱11</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>　なんだかこう・・・色々違う。</p>
<p>　さっぱり思ったようにならないコトの展開に、俺は早くも投げ遣り気味になっていた。</p>
<p>　―― この人でもない。このタイミングでもない。</p>
<p>　それ以上何を言ってみる気にもなれず、翌日には「なんかちっと違うカンジ。付き合っても多分続きそうにないから。やめとくわ」と伝えたことを憶えている。</p>
<p>　以来、俺に接近を試みる連中が引っ切り無しに現れるようになったのはどうしてだろう。</p>
<p>　不思議には思ったものの、拒むようなことはしなかった。</p>
<p>　誰か俺の期待に応えてくれる人はいないかと、その中を探すのが手っ取り早いかと思ったので。</p>
<p>　そんな俺を他人は「漁ってる」と評し始めたけれど、別に否定はしなかった ―― 実際、そうなわけだし。</p>
<p>　一番最初にささやかな希望を口にして嗤われた後は、はっきりそうと言わずに「例えば」と切り出すようにしていたので、俺が付き合う相手に何を求めているのかは誰にもわからなかったらしい。</p>
<p>　なので、どうして一度寝た相手を簡単に捨てられるのかという俺の心情は、理解不能で不可解なものだと当事者にも第三者にも認識されると共に、俺が「甘えられる場所」を求めているという切なくもささやかな願望は、誰も知らない「秘密」へと変わっていった。</p>
<p>　結果、俺は誰とでも簡単に寝て逃げる男であるというレッテルがでっかくべったりと貼られた。</p>
<br />
<br />
<p>「甘える・・・って・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　再び「昔」に戻っていた俺を、その声が強く突いた。</p>
<p>　俺はどうしてこんなことを言ってしまったんだろう。</p>
<p>　舞ちゃんにも嗤われるのだろうか。</p>
<p>　ありえない、似合わないと言われるのだろうか。</p>
<p>　キモチワルイとまで・・・。</p>
<br />
<br />
<p>「たとえ・・・ば・・・？」</p>
<p>「い、いや・・・その・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　できたら今すぐ、逃げ出したかった。</p>
<p>　自分がどんな表情をしているかさえも気を回すことができずに、俺は舞ちゃんの逸らそうとしない視線から必死で逃げ回るだけだった。</p>
<br />
<br />
<p>「教え・・・て？」</p>
<p>「え、いや、今のは・・・その・・・あの・・・例え、って・・・言うか」</p>
<br />
<br />
<p>　黙れ。</p>
<p>　黙ってごまかせ。</p>
<p>　舞ちゃんにも失望する気か、おまえは。</p>
<p>　うまくごまかせなけりゃ、あれだけ慎重に距離を保ってきた舞ちゃんにさえ蔑まれるようになるんだぞ。</p>
<br />
<br />
<p>「・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　聞こえてくる自分の声よりも、無言で俺に言葉を促す舞ちゃんの瞳の方が強かった。</p>
<p>　言いたくないのに。</p>
<p>　これ以上俺を知られることがこわいのに。</p>
<br />
<br />
<p>「そ、その・・・別に！　別に変なことじゃないんだ！　ただ・・・抱き締めて・・・欲しくて」</p>
<p>「・・・」</p>
<p>「あの、もちろん、いつでもどこででもそんなふうにしててくれなきゃイヤだとかじゃなくて・・・その・・・ふたり、ふたりっきりの時だけで、よくて・・・」</p>
<p>「・・・」</p>
<p>「そうじゃない時は逆に頼ってほしいっていうか」</p>
<p>「・・・抱き・・・締め・・・られたい、の？」</p>
<p>「・・・うん」</p>
<br />
<br />
<p>　言いたくないはずなのに、気がつけば全部をぶちまけてしまっていた。</p>
<p>　舞ちゃん・・・どうか俺を・・・。</p>
<p>　祈るしかできなくなってしまった俺は、不意にやわらかい何かに覆われた。</p>
<p>　感触は、言ってみれば「ぱふっ」というカンジ。</p>
<p>　驚いて目を見開いても、淡いピンク色しか見えない。</p>
<p>　甘い匂いがして、暖かくて・・・やわらかい。</p>
<p>　なんだ？！</p>
<p>　なんだなんだなんだっ？！</p>
<p>　混乱しまくる俺の頭が、ぎゅっと圧迫された。</p>
<p>　ぐしゃぐしゃっと髪が掻き混ぜられる。</p>
<br />
<br />
<p>「よかったぁ！！」</p>
<p>「舞っ、舞ちゃんっ？！」</p>
<br />
<br />
<p>　俺の胡坐の上に跨って、舞ちゃんがその豊かな胸で俺 ―― 正確には、俺の顔 ―― を押し包んでいたと理解できるまで、ひたすら舞ちゃんを呼び続けていた。</p>
<p>　じたばたともがく俺からそっと舞ちゃんがその胸を離してくれて、それでやっと状況がわかる。</p>
<p>　わかるけれど、どうしてそうなったのかはさっぱりわからない。</p>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<a href="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access2.php?citi_cont_id=349013303" target="_blank"><img width="88" height="31" src="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access.php?citi_cont_id=349013303&amp;size=88" border="0" complete="true" /></a>
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10896049577.html</link>  
      <pubDate>Thu, 19 May 2011 01:00:00 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>起承転結：転　　貴虎の憂鬱10</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>　おもしろくもない、それほど遠くない昔の記憶は、舞ちゃんの細い声に断ち切られた。</p>
<br />
<br />
<p>「・・・あたし・・・トラくんは・・・そんな人じゃ・・・ない、って・・・言ったの。でも・・・じゃあ・・・どんな人・・・って・・・言えなくて・・・言える・・・ほど・・・トラくん・・・のこと・・・知らなかった・・・の・・・」</p>
<p>「舞ちゃん・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　口の重い舞ちゃんは、もしかしたら何も言わずにここから出て行ってしまうかもしれないと思った ―― 俺に呆れて。</p>
<p>　ショックを受けすぎて、泣き出すかもしれないとも思った ―― 俺がそんなヤツだとは知らず、今まで一緒に時間を過ごしてきたことに。</p>
<p>　そのどっちでもなかった舞ちゃんは、その顔に何の表情も浮かべてはいなかった。</p>
<p>　ただ、優しく丸い、下がり気味の目が、俺をじっと見つめていた。</p>
<br />
<br />
<p>「教えて・・・トラくんの・・・こと。どうして・・・そういう人・・・だったの・・・」</p>
<p>「どうして・・・って・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　誰にも言わなかった。</p>
<p>　・・・いや、何度かは・・・言った。</p>
<br />
<br />
<p>「俺・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　どうして俺は・・・そんなふうに呼ばれるようになったんだろう。</p>
<br />
<br />
<p>「俺・・・甘えたかったんだ・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　虚ろな自分の声を聞いた気がした。</p>
<br />
<br />
<p>「でも・・・俺・・・こんなナリだから・・・そんなこと言うなんて誰も想像もしないらしくて・・・」</p>
<p>「・・・」</p>
<p>「そんなこと言うと思わなかったとか・・・変だとか・・・キモい、とか」</p>
<br />
<br />
<p>　そう望むことがおかしなことだとは思わなかった。</p>
<p>　思わなかった分、それを嗤われたり拒絶されたことがひどくショックだった。</p>
<p>　俺だからダメなのだろうか。</p>
<p>　他の男は誰もそんなことを要求しないのだろうか。</p>
<p>　初めて付き合おうかということになったのは、軽いノリで「あたしたち、付き合ってみちゃう？」と言ったバイト仲間だった。</p>
<p>　面倒見がよくてよく笑う、元気のいいタイプの彼女に、俺は付き合うことになったらしたいことを打ち明けた。</p>
<p>　若干の勇気を要した告白は、爆笑で応じられた。</p>
<p>　―― 滝口くんてそういうこと言うタイプー？</p>
<p>　大きく開けられた口元から溢れ続ける笑い声が、彼女とそれ以上親密になる気を削いだ。</p>
<p>　―― なんてね。言うわけないじゃん。</p>
<p>　そう言い繕ってごまかした。</p>
<p>　タイミングが悪かったのかもしれない。</p>
<p>　だって甘えさせてほしいと望むことは変なことじゃないはずだ。</p>
<p>　一度躓いた俺は少し慎重になって、受け入れてくれそうな人を探した。</p>
<p>　同じゼミの、明るくて頭も良くて、好きになれそうだと思えた人だった。</p>
<p>　映画に行ったり食事をしたり、何度か、今思えば笑えるほど幼いデートをしてから、「そんなこと」になった。</p>
<p>　その後なら、抵抗なく受け入れてくれるんじゃないかと思った俺は、それもまたハズレだということを思い知らされただけだった。</p>
<p>　―― ヤダ。そんなこと言うなんて似合わない。それよりもっと甘えさせて。</p>
<p>　抱き締めてほしかった俺は、抱き締める側に回された。</p>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
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</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10888043700.html</link>  
      <pubDate>Fri, 13 May 2011 01:00:00 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>起承転結：転　　貴虎の憂鬱 ９</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>　きゅっと唇を噛んだ舞ちゃんがそっと俺のシャツの袖を握って、腕に縋るような形になった。</p>
<p>　思わずそっちを見ると、ひどく真剣な視線が俺を見上げていた。</p>
<br />
<br />
<p>「ほんと・・・に・・・失礼・・・しちゃうんだから・・・。だって・・・ね・・・トラくんの・・・こと・・・」</p>
<p>「舞ちゃん？」</p>
<p>「ものすごく・・・女・・・ったらし・・・で」</p>
<p>「舞ちゃん！！　わかってる！　わかってるよ！　だから・・・だから、その通りなんだって！　俺は自分がなんて言われてるかわかってる。だけど舞ちゃんがそんな汚い言葉、使うことなんてないんだ！」</p>
<br />
<br />
<p>　そう。</p>
<p>　タラシならまだしも。</p>
<p>　ヤリ逃げとか、ヤリ捨てとか。</p>
<p>　―― 滝口っていんじゃん？</p>
<p>　―― ああ、あのヤリ捨てくん？</p>
<p>　女が俺を話題にするときは、羨望が半分以上なのだと大抵本人たちがそう口にした。</p>
<p>　誰と噂になっても落ち着くことのない俺のことを、自分ならつかまえてみせる、繋いでおける ―― そう自負して俺に近付いてくるらしい。</p>
<p>　残り半分くらいは？</p>
<p>　俺に逃げられ、捨てられた女への哀れみやザマミロ感で満たされているのだと言う。</p>
<p>　ちなみに男に話題にされるときは、やっかみが半分以上、あとは侮蔑らしい。</p>
<p>　ともかく要するに、俺は誰とも長く付き合ったことがない。</p>
<p>　ヤリ逃げ、ヤリ捨て。</p>
<p>　基本がフリーで、誰とでもすぐ・・・。</p>
<p>　それにしてもおかしなものだよな、とはよく思ったものだった。</p>
<p>　どうして俺だけが非難されるんだろう。</p>
<p>　俺が男で、相手は女。</p>
<p>　ひっついたにしろ別れたにしろ、ひとりではどうにもならない。</p>
<p>　噂になるための実績を積み重ねるためには、相手が居なければまずオハナシにもならない。</p>
<p>　俺を軽いと言うのなら、女のことも軽いって言えよ。</p>
<p>　付き合うまでには至らない、カラダだけのカンケイなんてのはさほど珍しいことじゃないだろう。</p>
<p>　殊更に俺が責められるのは、本当に「その後」が一切誰とも続かないのと、陰でこっそりにせよ正面切ってにせよ、嘲笑されても一切そのことに関して否定も肯定もしない俺の態度を生意気に感じる連中が多いからだったらしい。</p>
<p>　らしいけどやっぱり・・・俺だけ？</p>
<p>　―― 彼女いないって言ったじゃない！！</p>
<p>　泣きながらだったり、恐ろしいほどに形相を変えてだったり。</p>
<p>　様々に感情を露わにした女の顔も、数え切れないほど目にしてきた。</p>
<p>　いないと言ったのは嘘じゃない。</p>
<p>　その後をよく訊かない方が悪い。</p>
<p>　いないし、作る気もない。</p>
<p>　その気も変わらない ―― あんたと寝ても。</p>
<p>　更に盛大に泣かれたり怒り狂われたりしても、一向に俺の「その気」は変わらなかった。</p>
<p>　変わらないまま、実績を積み上げることをやめた。</p>
<p>　飽きたわけじゃなく、疲れただけだった。</p>
<p>　俺の探してる人は・・・どこにも居ない。</p>
<p>　探すことに疲れ、誰だかこっちは名前も知らない連中の噂になることにも疲れた。</p>
<p>　別にいいけどさ ―― そう強がることにも飽きた。</p>
<p>　大学を卒業するずいぶん前から誰の誘いにも応じなくなっていたせいで、ありがたくもない通り名はそのままなんとなく消えていった。</p>
<p>　実家に戻ってから勉強を兼ねた家業の手伝いを始めて以来、俺は極めて「清潔」に暮らしている。</p>
<p>　学生時代を過ごした街は遙か遠い。</p>
<p>　それがどうして・・・今。</p>
<p>　よりによって、今。</p>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
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</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10888042046.html</link>  
      <pubDate>Wed, 11 May 2011 02:00:00 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>起承転結：転　　貴虎の憂鬱 ８</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>　頭の中が真っ白になった。</p>
<br />
<p>　前彼 ―― 前彼 ―― 前彼</p>
<p>　会った ―― 会った ―― 会った</p>
<br />
<p>　そりゃあ、舞ちゃんは「今」彼が居ないってだけで、今までずっと居なかったわけじゃない。</p>
<p>　わかってる。</p>
<p>　わかってる、そんなこと。</p>
<br />
<p>　会った ―― 会った ―― 会った</p>
<p>　前彼 ―― 前彼 ―― 前彼</p>
<br />
<p>　そりゃあ、そういうことだって・・・あるかもしれない。</p>
<p>　舞ちゃんが誰と会ってたって、俺には何も言う権利なんかない。</p>
<p>　わかってる。</p>
<p>　わかってるんだ！！</p>
<p>　そんなこと！！！</p>
<br />
<br />
<p>「あ、会った・・・んだ、けど・・・約束・・・して会った・・・とかじゃ・・・ない・・・の」</p>
<br />
<br />
<p>　舞ちゃんがゆっくりと口を開くのが俺よりも一瞬早くて、それで辛うじて俺は何事かを叫ばずに済んだ。</p>
<p>　何事か？</p>
<p>　叫び損ねたそれが一体なんなのか、そんなことは俺にだってわからない。</p>
<p>　ただ、口を閉じていることが呼吸をしないよりもつらく感じられていた。</p>
<br />
<br />
<p>「半分・・・くらい・・・偶然」</p>
<p>「・・・」</p>
<p>「いつ・・・だかは・・・わかんない・・・んだけど・・・あたしたち・・・一緒に・・・居るとこ・・・見たん・・・だって・・・。それで・・・あたしが・・・トラくん・・・あたしたち・・・付き合ってる・・・のか・・・って・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　もしそうならどんなにいいか・・・でも、そうなりたいと思う勇気すら、俺には無い。</p>
<p>　何も言えず、身動きもできない。</p>
<p>　どこかで何かの低い音が、ずっと同じリズムを刻み続けていた。</p>
<br />
<br />
<p>「違う、って・・・言ったら・・・そうだよな、って・・・」</p>
<p>「・・・」</p>
<p>「あたし・・・なんかが・・・トラくん・・・と・・・付き合えるはず・・・なんて・・・ない・・・って・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　返事の返しようがなかった。</p>
<p>　頷くわけにもいかないし、何より、俺の方こそ舞ちゃんと・・・なんて、そんなことを想像する資格すらもない。</p>
<p>　コトッという音が微かに床に響いた。</p>
<p>　舞ちゃんの手が、そっと缶を置いた音だった。</p>
<p>　いつの間にか俯いていた舞ちゃんが、決心したように顔を上げた。</p>
<p>　俺は舞ちゃんを見ずに・・・見られずに、それと感じることしかできなかった。</p>
<br />
<br />
<p>「聞いて・・・！　ひどい・・・んだよ・・・。失礼・・・しちゃう・・・の・・・」</p>
<p>「え・・・」</p>
<p>「どうして・・・か・・・わかんない・・・けど・・・トラくん・・・の・・・こと・・・知ってるみたい・・・で・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　それまでよりももっと。</p>
<p>　身動きどころか、呼吸することもできなくなっていた。</p>
<br />
<p>　――　知られた</p>
<br />
<br />
<p>「ほんと・・・に・・・失礼・・・なの・・・。だってね・・・トラくんのこと・・・」</p>
<p>「いいんだ！」</p>
<br />
<br />
<p>　強さの加減ができなくなっていて、俺の声の強さが舞ちゃんの体を竦ませた。</p>
<p>　ごまかすために笑って見せることもできなかった。</p>
<br />
<p>　―― バレた</p>
<br />
<p>　ほとんど飲むことができずにいたビールを、一気に喉の奥へと放り込む。</p>
<p>　炭酸が弾けながら喉を落ちて行った。</p>
<br />
<br />
<p>「いいんだ・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　今度は逆に、潜めすぎた声になっていた。</p>
<p>　舞ちゃんがぱちぱちっと目を瞬かせるのも、視界の隅でしか見ていられない。</p>
<p>　どうして ―― そう訊かれる前に。</p>
<br />
<br />
<p>「ほんとのことだよ」</p>
<p>「え・・・」</p>
<p>「自分のしてきたことだ。憶えてるし・・・俺はそんなことしてない、なんて聞き苦しいことも言わない。怒ってくれてありがとう、舞ちゃん。でもごめん。全部ほんとのことだ。それが・・・舞ちゃんが見たいって言ってくれた、ほんとの俺だよ」</p>
<br />
<br />
<p>　ぱちぱちっと、またその目が瞬いた。</p>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<a href="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access2.php?citi_cont_id=349013303" target="_blank"><img width="88" height="31" src="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access.php?citi_cont_id=349013303&amp;size=88" border="0" complete="true" complete="true" /></a>
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10884840558.html</link>  
      <pubDate>Sun, 08 May 2011 00:00:00 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>起承転結：転　　貴虎の憂鬱 ７</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <br />
<p>「飲も・・・っか・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　そうだと思って見ると、その表情のそこここに無理が滲んでいるように見える。</p>
<p>　淡いピンクの薄い上着が揺れて、立ち尽くした俺の手に舞ちゃんの手が触れた。</p>
<p>　そのまま下へと手を引かれて、俺はよろけるように舞ちゃんの隣へと腰を下ろした。</p>
<p>　ああ・・・舞ちゃん。</p>
<p>　・・・いや。</p>
<p>　いや、まだだ。</p>
<p>　まだ何を言われたわけじゃない。</p>
<p>　自分にそう言い聞かせても、早まる鼓動は落ち着こうとはしない。</p>
<p>　ぷしゅっという、缶を開けた音が変に大きく耳に響いた。</p>
<br />
<br />
<p>「はい・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　舞ちゃんの差し出したビールの缶を受け取るだけのことに、俺はひどく緊張していた。</p>
<p>　もう一度、ぷしゅっと音がして、甘い匂いが広がった。</p>
<br />
<br />
<p>「あ・・・グラス！」</p>
<br />
<br />
<p>　俺が立ち上がりかけると、舞ちゃんがそれをやんわりと制した。</p>
<br />
<br />
<p>「いい・・・の。このまま・・・この・・・まま・・・」</p>
<br />
<br />
<p>　缶の胴同士で乾杯をすると、ぼよんという音がして、それと同じとしか言えない感覚が手に響く。</p>
<p>　ライチの強い匂いがビールの苦さを圧倒する。</p>
<p>　舞ちゃんが、その手にした缶入りのカクテルは、外でもよくオーダーするものと同じだった。</p>
<p>　それを選ぶときは、それほど腹がへってはいないらしいことが、見ていてわかった。</p>
<p>　瑞々しい甘さが特徴的なそれの匂いは、それまでの記憶と分かち難く結びついて、舞ちゃんにぴったり似合うように思えてしまう。</p>
<p>　俺は・・・馬鹿だな。</p>
<p>　何を見ても舞ちゃんへと繋がってしまう。</p>
<p>　こんなに、こんなに・・・舞ちゃんのことばかり・・・。</p>
<br />
<br />
<p>「あの・・・ね」</p>
<br />
<br />
<p>　心なしか少し硬い声がそう切り出して、俺はそれに頷きもせずに、缶に口をつけた。</p>
<p>　ほんの一口が、固形物のように咽喉につかえて飲み込めない。</p>
<br />
<br />
<p>「今日・・・さっき・・・」</p>
<p>「・・・う、ん」</p>
<br />
<br />
<p>　舞ちゃんが缶を持ち直す。</p>
<p>　また振りまかれた甘い匂いに、くらくらしそうだった。</p>
<br />
<br />
<p>「前彼・・・に・・・会ったの」</p>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<a href="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access2.php?citi_cont_id=349013303" target="_blank"><img width="88" height="31" src="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access.php?citi_cont_id=349013303&amp;size=88" border="0" complete="true" complete="true" /></a>
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/trouble-fish/entry-10872560814.html</link>  
      <pubDate>Tue, 26 Apr 2011 00:00:00 +0900</pubDate> 
    </item> 
  </channel> 
</rss>

