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    <title>高橋和夫の国際政治ブログ</title>  
    <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/</link>  
    <description>高橋和夫（国際政治学者、放送大学教授）の国際政治ブログです。</description>  
    <language>ja</language>  
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    <item> 
      <title>イランとイスラエルの間で綱渡りのオバマ政権</title>  
      <description> <![CDATA[ <p>オバマ政権はイランの核問題で戦争は望んでいない。イスラエルによる単独のイラン攻撃は迷惑である。その先が読めないからである。少なくとも石油価格が高騰し、せっかく回復の兆しを見せているアメリカ経済に大きな打撃となるのは確実である。大統領選挙を前にオバマ大統領にとっては、避けたいシナリオである。さらにイランがイスラエルに反撃した場合には、アメリカがイスラエルの支援という形での介入を迫られる可能性も低くない。イスラエルが危機に立てば、支援を求めるアメリカ国内の同国支持者の叫びが天をつくだろう。</p>
<br />
<p>イスラエルは、イランの核問題の軍事力による「解決」を考慮しているが、単独でイランを「処理」する能力はない。アメリカ軍によるイラン攻撃を望んでいる。しかし、オバマは戦争に乗り気ではない。しかし、もしイランの方から手を出してくれれば、アメリカはいやおうなしに戦争に巻き込まれざるを得なくなる。イスラエルはイランを挑発するために、科学者の暗殺、軍事施設の爆破などのサボタージュを繰り返している。</p>
<br />
<p>アメリカの懸念は、これをイランがアメリカとイスラエルによる共同作戦だと誤解することである。1月初旬のイランでの核開発の関係者の暗殺の直後にクリントン国務長官が強い調子でテロを非難したのは、アメリカは関与していないというイランへの強いメッセージであった。また2月5日、NBCテレビとのインタビューで、オバマ大統領自身が、イスラエルはイラン攻撃を決定したわけではない。イランがアメリカ本土を攻撃する意図や手段を持っているとは思わないと述べた。イスラエルのイラン攻撃が近づいているとの推測が流れている中で、状況を沈静化させようと大統領自身が乗り出したわけだ。イスラエルやアメリカによる攻撃が迫っている。とイランが考えて同国の方から先制攻撃を始めるのを防ぎたい。それが、オバマ大統領の発言の狙いであったのではないかと推測される。アメリカはイランの暴発によって、戦争が始まるのを心配している。</p>
<br />
<p>だが同時にイスラエルの暴発も押さえる必要がある。単独でもイラン攻撃をという議論が同国にあるからである。また外交的に問題の解決が可能だとアメリカ国内のイスラエル支持層を納得させる必要もある。大統領選挙を前に、この層に嫌われるわけにも行かない。そのためには、イランへの経済制裁をできる限り強める必要がある。軍事攻撃が迫っているのではないと安心させながら、同時に外交的には強いメッセージをテヘランに送らねばならない。それが6日にオバマ大統領が発したイラン中央銀行などの金融機関を含むイラン資産の凍結を命じる大統領令の意味だろう。イランとイスラエルの間でのオバマ政権の綱渡りが続いている。</p>
<p>（2月7日、記）</p>
<br />
<p>畑中美樹氏の主宰するオンライン・ニュースレター『中東・エネルギー・フォーラム』に2012年2月10日（金）に掲載された文章です。</p>
<br />
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</div>
]]> </description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11162403844.html</link>  
      <pubDate>Sun, 12 Feb 2012 09:39:09 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>私がイラン中央銀行に貸したカネの行方</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>朝日新聞のＷＥＢＲＯＮＺＡに2月10日に掲載された解説です。ただ全文は、朝日新聞との関係上、高橋のブログにはアップできません。</p>
<p><br />
</p>
<p>----------------------------------</p>
<p><br />
</p>
<p><img style="FLOAT: left; CLEAR: both" border="0" alt="高橋和夫の国際政治ブログ" src="http://stat.ameba.jp/user_images/20110622/09/t-kazuo/d6/44/g/o0137002811305579680.gif" />イランの核開発問題をめぐって、アメリカ政府がイランの中央銀行を制裁の対象にしている。イラン中央銀行を通じて代金を決済していた各国にとっては、石油の輸入が困難になった。それがアメリカの狙いである。</p>
<br />
<p>このイラン中央銀行には、筆者は貸しがある。</p>
<br />
<p>１９８０年代に初めてイランに旅行した。当時は革命直後であり、またイラクとの戦争の続いていた時期であった。イランに行く前に調べてみると、イランへのイラン通貨の持ち込みは２万リアルという制限があった。イランに外国からイラン通貨を持ち込むのは、イラン国内では政府が外貨との交換率を決定しており、それが外国の両替屋よりは、はるかに率が悪かったからであった。つまり外国でリアルに交換した方が旅行者には得になっていた。</p>
<br />
<p>当時クウェートでの研究を終えようとしていた筆者は、ドバイ経由でイランに入る予定を立てた。クウェートの両替屋で２万と言うと２０万リアルを渡された。ペルシア語では、１０リアルのことを１トマンと呼ぶ。両替屋は、２万リアルではなく、２万トマンだと、つまり２０万リアルだと勘違いしたようだった。筆者のペルシア語のレベルを思い知らされる経験でもあった。</p>
<br />
<p>しかし、２０万リアルでも大した額ではなかった。記憶は確かではないが数百ドルだっただろうか。ちなみにクウェートはアラブの国でアラビア語が公用語であるが、思いのほかにペルシア語を理解するイラン系の市民が多い。またイランからの出稼ぎ労働者も少なくない。</p>
<br />
<p>クウェートからアラブ首長国連邦のドバイに移動し、ドバイからイラン南部の古都シーラーズ空港に降り立った。空港でイランの通貨をいくら持っているかと尋ねられた。正直に２０万リアルを差し出すと、２万リアルだけを戻してくれた。残りの１８万リアルを取り上げられてしまった。受取証を渡されて出国の際に１８万リアルは返してくれるという。</p>
<br />
<p>シーラーズから旅行を続け北上して首都テヘランに入った。このテヘランの空港からトルコへと飛び立つ予定だった。空港で受取証を出して１８万リアルの返金を求めたところ、空港ではなく市内の中央銀行で払い戻すという。</p>
<br />
<p>しかし、フライトの時間は迫っている。 ・・・・・<a href="https://astand.asahi.com/loginpage.html" target="_blank">続きを読む</a>
</p>
<br />
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</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11161436979.html</link>  
      <pubDate>Sat, 11 Feb 2012 09:36:34 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>アメリカとイランの対立構造とアラブの春（13）</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p><strong>トルコ・イスラエル関係の危機</strong>（<a href="http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11159598768.html">前回</a>
 のつづき）</p>
<br />
<p>今回の両国関係の悪化は、トルコとイスラエルの間の上記のような同盟関係の終わりの始まりを意味しているのかもしれない。というのは、トルコ国内では、イスラムの影響力が拡大しているからである。現在の与党の公正発展党が宗教的な層を支持基盤に躍進してきたのは衆知の事実である。</p>
<br />
<p>イスラム教徒としての感情の高まりは、パレスチナのイスラム教徒への同情につながっている。これがイスラエルとのあまりにも密接な同盟関係の維持を難しくしている。同時に外交的には、トルコがアラブの産油諸国に接近の姿勢を示している。トルコは、第一次世界大戦後の共和国建国以来の西欧志向から、それ以前のオスマン帝国の時代のイスラム国家としての、さらにはイスラム世界のリーダーとしてのアイデンティティーを復活させつつある。</p>
<br />
<p>イスラエルへの厳しい態度は、イスラム諸国との関係を深めるために必要なジェスチャーであり、代償である。もし、そうであるならば、事件に対する謝罪と補償の要求は、トルコの方向転換を正当化する口実に過ぎない、とイスラエルの一部勢力はトルコの姿勢を解釈している。もし、この解釈が正しいのであれば、中東の国際関係の構図が変わり始めている。</p>
<br />
<p align="right">&gt;&gt;次回につづく</p>
<p><br />
※『石油・天然ガスレビュー』2012年1月号に掲載されたものです。</p>
<br />
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</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11160518735.html</link>  
      <pubDate>Fri, 10 Feb 2012 09:37:51 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item>
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      <pubDate>Fri, 10 Feb 2012 09:37:51 +0900</pubDate>
    </item>
    <item> 
      <title>アメリカとイランの対立構造とアラブの春（12）</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p><strong>トルコ・イスラエル関係の危機</strong>（<a href="http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11152891026.html">前回</a>
 のつづき）</p>
<br />
<p>トルコは1949年、イスラム教徒が多数派の国としては初めてイスラエルを承認した。それ以来、両国は緊密な戦略関係を構築してきた。イスラエルは、トルコ軍の兵器の近代化に協力してきたし、トルコは自国領土をイスラエル空軍の訓練のために開放してきた。ちなみに国土の狭いイスラエルにとっては、陸地の上空を長距離にわたって飛行する訓練の場所の確保が困難である。奇襲攻撃の際にレーダーをかいくぐるためには、地上すれすれの低空飛行が求められる。これには高度の技術が要求される。トルコでの訓練飛行はイスラエルのパイロットにとっては有り難い経験である。1967年の第三次中東戦争の際にはイスラエル空軍機が低空飛行でエジプトの空軍基地に接近し地上で同国の空軍を壊滅させた。1981年には、やはり低空飛行でイラク上空に侵入したイスラエル空軍が、バグダッド郊外のオシラクの原子炉を爆撃した。将来イランの核関連施設を爆撃するような際にも、イスラエル空軍は低空飛行でレーダーをかいくぐろうとするだろう。</p>
<br />
<p>またイスラエルとトルコの両国は、長年にわたりシリアを共通の敵として挟み撃ちにする姿勢を取ってきた。現在のバシャール・アサド大統領の父親の故ハーフェズ・アサド大統領の時代には、シリアがPKK（クルディスターン労働党）を支援しているのに業を煮やしたトルコは、シリアの国境地帯に兵力を展開して侵攻の構えを見せた。1998年のことであった。この時にはトルコとイ 2012.1Vol.46No.16 KYMC アナリシススラエルの同盟関係が、シリアに対する大きな圧力となった。シリアは、圧力に負け、かくまっていたPKK のオジャラン党首をレバノンから追放した。当時シリアは、レバノンに軍隊を展開しており、同国を実質的に支配していた。オジャランは、世界を逃げ回ったが、結局 1999年ケニアでトルコの諜報機関によって捕らえられた。この拘束についても背後でイスラエルの諜報機関の支援があったと信じられている。</p>
<br />
<p align="right">&gt;&gt;<a href="http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11160518735.html">次回</a>
につづく</p>
<p><br />
※『石油・天然ガスレビュー』2012年1月号に掲載されたものです。</p>
<br />
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</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11159598768.html</link>  
      <pubDate>Thu, 09 Feb 2012 09:21:14 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>BBCのペルシア語放送の職員へイランが圧力</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>2012年3月の議会選挙を前にイラン政府がBBCのペルシア語放送への圧力を強めている。3日付けの『ガーディアン』紙のインターネット版によれば、イランの情報省が、ロンドンの同放送で働く職員のイランでの親族を逮捕したり、その家庭に踏み込んだりする事件が続いている。また同放送の職員に対する中傷がイラン政府によって流されている。さらにロンドンで働く職員にイランの情報省が接触して、協力者になるように求めた例も伝えられている。この職員の場合、親族がイランで拘束されていた。イランにおける情報統制はニュースではない。これまでも妨害電波が、BBCのペルシア語放送に対して発信された例などもある。しかし、これほど執拗に圧力がかけられるのは、例がない。</p>
<br />
<p>BBCのペルシア語放送は第二次世界大戦中に開始された。1941年8月イギリス軍が南部をソ連軍が北部を占領してイランを分割した。同放送は、その翌月の9月にロンドンから放送を開始した。現在ではペルシア語が公用語のイラン、アフガニスタン、タジキスタンで広範な聴取者を獲得している。さらにペルシア語を理解する人口の多い、クウェート、ドバイ、イラクのクルド地域などでも視聴されている。</p>
<br />
<p>政府の報道が信頼されていない地域では、BBCのペルシア語放送は社会的な地位にかかわらず人々にとっての貴重な情報源となっている。たとえばイラン革命の指導者であった故ホメイニ師も同放送の聴取者であった。筆者自身もクウェートでタクシーの運転手が同放送にカー・ラジオのダイアルを合わせるのを目撃した経験がある。</p>
<br />
<p>2009年からテレビ放送も開始され、影響力をさらに強めている。イランから視聴者が電話で参加する番組などは特に人気があり、さまざまな問題について率直かつ活発な議論の場となっている。テレビ映像はインターネットによっても配信されている。BBCによれば、予算はイギリス政府から提供されているが、編集権は政府から独立している。</p>
<br />
<p>同放送へのイランの圧力に対しては、BBCが激しく反発している。またイギリス外務省も抗議声明を出している。ペルシア語放送の職員たちは、イランに対して抗議すると同時に、BBC自身の職員の保護のあり方についても不満を表明している。ロンドンの職員にイラン情報省が接触した事件などが、職員の不安と不満を高めている。</p>
<br />
<p>ペルシア語放送に対する圧力の強さは、同放送のペルシア語世界での影響力を裏書している。</p>
<p>（2月5日、記）</p>
<br />
<p>畑中美樹氏の主宰するオンライン・ニュースレター『中東・エネルギー・フォーラム』に2012年2月7日（火）に掲載された文章です。</p>
<br />
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</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11158672017.html</link>  
      <pubDate>Wed, 08 Feb 2012 09:31:02 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>イスラエルをゆるぎなく支持するロムニー候補の中東政策</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>朝日新聞のＷＥＢＲＯＮＺＡに2月3日に掲載された解説です。ただ全文は、朝日新聞との関係上、高橋のブログにはアップできません。</p>
<p><br />
</p>
<p>----------------------------------</p>
<p><br />
</p>
<p><img style="FLOAT: left; CLEAR: both" border="0" alt="高橋和夫の国際政治ブログ" src="http://stat.ameba.jp/user_images/20110622/09/t-kazuo/d6/44/g/o0137002811305579680.gif" />１月３１日火曜日のフロリダ州での投票で、元マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー候補が大勝した。これは、今年秋のアメリカ大統領選挙で共和党候補者の指名を争う一連の選挙の一環である。アイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州に次ぐ４番目の投票であった。</p>
<br />
<p>最有力候補とされるロムニーは、１月２１日のサウスカロライナ州での予備選挙でギングリッジ元下院議長に敗れ、先行きが不安視された。しかし、今回の勝利で、勢いを取り戻した。今後もロムニー候補を軸として共和党の予備選挙が展開される。</p>
<br />
<p>もし仮に、このロムニー候補が共和党の指名を獲得し、さらに秋の本選挙で現職のオバマ大統領に勝つと仮定した場合、アメリカの中東政策は変化するのだろうか。そうであるならば、どのように変化するのだろうか。そろそろ考え始めても良い時期だろうか。</p>
<br />
<p>まずイスラエルへの強い支持がロムニーの中東政策の要である。共和党の支持層の中核であるキリスト教福音派の多くが、聖書に出てくる古代のイスラエルが２０世紀になって「再生」したのは神による奇跡であり、聖地全域のユダヤ化がイエス・キリストの再臨の準備となると信じている。この層の支持を取り込もうとすれば、当然ながらイスラエルへのゆるぎない支持が政策となる。</p>
<br />
<p>具体的にはオバマ政権がイスラエルとパレスチナの交渉を仲介し、１９６７年の国境線が交渉の基本となると表明したのを批判し、ロムニー政権はイスラエルの指導層の意向を反映した政策を採用するとしている。つまり、交渉は当事者同士の話し合いに委ねるわけである。</p>
<br />
<p>またアフガニスタンに関しては、可能な限り早くアメリカ軍を撤退させるべしと主張している。またパキスタンについては、破綻寸前国家として言及し、パキスタン国内の親米勢力との協力を呼びかけている。</p>
<br />
<p>最後にイランについては、・・・・・<a href="https://astand.asahi.com/loginpage.html" target="_blank">続きを読む</a>
 </p>
<br />
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</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11157729055.html</link>  
      <pubDate>Tue, 07 Feb 2012 09:02:52 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>キャラバンサライ「上海の風景」（2）</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>&gt;&gt;<a href="http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11155787355.html">前回</a>
のつづき</p>
<br />
<p>上海の高層ビル群は、二つに分類できる。</p>
<br />
<p>第一は、揚子江沿いのバンドと呼ばれる地域に林立するビル群である。そして第二は、それ以外の高層ビル群である。バンド地域のビルは、第２次世界大戦前に建設されている。第２次世界大戦前に高層ビルが、これほど集中していた場所は上海とニューヨークのマンハッタンしかなかった。戦前に上海を訪れた日本人は、この風景に圧倒されたであろう。</p>
<br />
<p>１９７０年代に筆者がニューヨークのコロンビア大学で勉強していた頃、中国から文化大革命を生き抜いた学者がやって来た。</p>
<br />
<p>アメリカ人がニューヨークの印象を尋ねると、コカコーラをおいしそうに飲みながら「戦前の上海のようだ」と答えた。たしかにニューヨークと上海は似ている。</p>
<br />
<p>そしてバンド以外の地域に立ち上がった新しい超高層ビル群は、急速に成長する中国経済の象徴である。しかし上海の繁華街には物乞いをする高齢者や身体障害者の姿が見られる。それも一人や二人ではない。ちょうどＣＤ売りが各ブロックごとに陣取っているように、物乞いも一定の間隔で散らばっている。これが社会主義を看板に掲げる国家の街角だろうかとの疑問がわいてくる。</p>
<br />
<p>革命前の上海は、富と貧困の同居する場所として知られていた。現在の上海は、その点で革命前に戻ってしまったようだ。急激な経済成長が、同時に大きな格差を生み出したのだ。豊かになった人々と、貧しいままの人々の間には、埋めようのない深い亀裂が口をあけている。のぞき込むと、その亀裂の表面に上海の繁栄が映っている。</p>
<br />
<p><em><strong>摩天楼の　影踏みしめて　物を乞う<br />
老婆一人いて　上海風景<br />
</strong></em>（2012年１月11日・記）</p>
<br />
<div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20120206/09/t-kazuo/c8/53/j/o0276027311777725618.jpg"><img border="0" alt="高橋和夫の国際政治ブログ" src="http://stat.ameba.jp/user_images/20120206/09/t-kazuo/c8/53/j/o0276027311777725618.jpg" /></a>
 </div>
<br />
<p>そそり立つ高層ビルの陰に物乞いの姿がある。1949年に中国共産党が中華人民共和国の成立を宣言してから60年以上がたつ。この中国革命とは何であったのかと考えさせられる風景である。<br />
（2011年12月　筆者撮影）</p>
<br />
<p><br />
</p>
<div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20120206/09/t-kazuo/c8/79/j/o0350024911777725617.jpg"><img border="0" alt="高橋和夫の国際政治ブログ" src="http://stat.ameba.jp/user_images/20120206/09/t-kazuo/c8/79/j/o0350024911777725617.jpg" /></a>
 <br />
バンドから浦東（プードン）の高層ビル群を望む<br />
（2011年12月　筆者撮影）</div>
<br />
<p align="right">-完-</p>
<p><br />
</p>
<p>（『まなぶ』2012年2月号、42～43ページに掲載された拙文です。）</p>
<br />
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</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11156793803.html</link>  
      <pubDate>Mon, 06 Feb 2012 09:36:48 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>キャラバンサライ「上海の風景」（1）</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>ここ何年か、年末年始を上海で過ごしている。同じ場所に毎年行けば、滞在期間が短くとも変化が見えてくる。</p>
<br />
<p>２０００年代の初めには、通りで格安航空券の宣伝のチラシを良く渡された。もちろん中国の国内便である。中国人に見えたのだろうか。そして、ブランド商品の偽物を買わないかと日本語で良く話しかけられる。上海にも欧米のブランド・ショップが数多く進出しているが、その店の前で偽物を勧められるというのも不思議な感覚である。</p>
<br />
<p>政府は、取り締まってはいないようだ。少なくとも、しっかりとは。この２～３年、偽ブランド物のパンフレットを持った客引きに中国語で話かけられることも増えた。中国の人々の所得が上がり、ブランド物を欲しがる段階にまで達したのだろう。</p>
<br />
<p>前回の滞在まで見なかったのに、この年末年始に上海の街角で数多く目にしたのは、ＣＤ売りである。</p>
<br />
<p>オートバイに大きなスピーカーをつけて音楽を鳴らしている。各ブロックごとに音楽を鳴らすオートバイが止まっている。ＣＤ１枚が20元だった。日本円で２５０円くらいだろうか。10枚買うと10元に負けるという。外国人と見て値段を吹っかけているかもしれない。まじめに交渉すれば１枚でも10元くらいには値下げするだろうか。値段から判断すると海賊版のＣＤだろう。中国当局はこれも規制するつもりはないようだ。そんな振りさえしていない。</p>
<br />
<p>そして、あいも変わらないのが高層ビルの建設風景である。市内の各地でビルが立ち上がっている。それでも、２年前の万博前、上海全体が建設現場と化した風情から見ると落ち着いて見える。</p>
<br />
<p>中心部からは見渡す限り超高層ビルが林立している。日本中にある超高層ビルを集めても、上海にある超高層ビルの数に及ばないという。さも、ありなんという景色である。</p>
<br />
<p>地震の経験のない上海と、関東大震災の影におびえて暮らしている東京を単純に比較すべきではないだろう。だが上海から戻ると、正直なところ東京が野暮に見えるくらいである。</p>
<br />
<p align="right">&gt;&gt;次回につづく</p>
<br />
<p>（『まなぶ』2012年2月号、42～43ページに掲載された拙文です。）</p>
<br />
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</div>
</div>
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</div>
</div>
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11155787355.html</link>  
      <pubDate>Sun, 05 Feb 2012 09:54:45 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>イランは報復すると脅しているだけだと見るイスラエル</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>『ニューヨーク・タイムズ』紙が8人のイスラエル政府高官とのインタビューに基づいて、2012年1月26日伝えたところによると、同国は、イランを攻撃した際のイランによる報復も被害も限定的であろうとの見方をしている。</p>
<br />
<p>ある高官によれば、攻撃を受ければイランは反撃するだろうが、イスラエルの被害は第二次世界大戦中のドイツ空軍によるロンドン爆撃ほどひどくはないだろう。またエフード・バラク国防相が11月にラジオに対して以下のように語った。戦争はピクニックではない。しかしイスラエル人が、10万人も死ぬわけではない。1万人も死なないだろう。千名も死なないだろう。国が破滅するわけではない。イスラエルは報復に耐えられるだろう。さらに別の高官によると、イランの報復の脅しは部分的には虚勢（ブラッフ）に過ぎない。イランにはホルムズ海峡を封鎖する力はないし、封鎖はイランの国益でもない。しかも封鎖はアメリカとの全面的な対決につながるだろう。イランは、それを望んでいない。</p>
<br />
<p>イスラエルは、厳しい制裁も結局はイランの核兵器開発を止めることはないだろうと考えている。そして、イラン攻撃の後の混乱の方が、核武装したイランよりは危険が少ないと考えている。もしカダフィやフセインが核兵器を持っていたとしたら、イラクやリビアに各国は手出しできなかったろう。イランは、イスラエルへの脅威であるハマスとヘズボッラーを支援し武装させている。こうしたイランは、かつてユダヤ人の絶滅を企てたナチスと同じような存在だとネタニヤフ首相は信じている。さらに政府が不人気なので、核関連施設の爆撃をイラン国民は歓迎するだろうとさえ見ている。</p>
<br />
<p>そしてイスラエルは、イランの核関連施設が地下深くへ建設される前に動かねば攻撃の機会を逸すると考えている。おそらく、その段階でも、より強力なアメリカ軍には、まだイランの核関連施設を爆撃破壊する能力があるだろう。この理由からアメリカの方がイスラエルより長く待てる。しかし、ネタニヤフ首相が、1月27日のホロコースト記念日に演説したように、イスラエルは自らの運命を他人にゆだねるつもりはない。</p>
<br />
<p>イランへの攻撃は、地域全体の混乱、テロの続発、そして石油価格の高騰などを引き起こすだろう。また攻撃を受ければイラン国民は政府の下に結集し団結するだろう。これが世界的に広く共有されている認識である。ところが上で見たように、世界の大方とは異なる認識がイスラエルの指導層に抱かれている。この認識こそが、イランを攻撃すべきかどうかのイスラエルの計算に大きな役割を果たしている。</p>
<p>（2月1日、記）</p>
<br />
<p>畑中美樹氏の主宰するオンライン・ニュースレター『中東・エネルギー・フォーラム』に2012年2月3日（金）に掲載された文章です。</p>
<br />
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</div>
</div>
<div style="CLEAR: left" class="amazlet-footer"><br />
</div>
</div>
 
</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11154816688.html</link>  
      <pubDate>Sat, 04 Feb 2012 09:48:26 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>挑発するイスラエル、耐えるイラン、戦争を恐れるアメリカ</title>  
      <description><![CDATA[<p>
 <p>朝日新聞のＷＥＢＲＯＮＺＡに2月2日に掲載された解説です。ただ全文は、朝日新聞との関係上、高橋のブログにはアップできません。</p>
<p><br />
</p>
<p>----------------------------------</p>
<p><br />
</p>
<p><img style="FLOAT: left; CLEAR: both" border="0" alt="高橋和夫の国際政治ブログ" src="http://stat.ameba.jp/user_images/20110622/09/t-kazuo/d6/44/g/o0137002811305579680.gif" />１月１１日、イランで核開発にかかわっている専門家が暗殺された。一部ではイスラエルと欧米の諜報機関が合同で暗殺したとの見方もあるようだ。事実、１月１１日の暗殺に関しては、イラン政府はアメリカ、イギリス、イスラエルを非難した。</p>
<br />
<p>だがイスラエルの単独犯行との解釈も可能である。１月１１日の暗殺の直後にホワイト・ハウスのスポークスマンがアメリカの関与を否定した。またクリントン国務長官自身も関与を強く否定した。さらには、その他の暗殺についても関与を否定した。認めるはずもない、との見方もあるだろう。だが、わざわざ国務長官自らが否定する必要があるだろうか。演技にしては、あまりにも熱のこもった否定ではないだろうか。</p>
<br />
<p>しかもタイミングからすると、欧米の関与は想像しにくい。１月２１日にイスタンブールでイランの核開発をめぐる同国とＰ５＋１との協議が予定されていたからである。Ｐ５とは安保理常任理事国５カ国である。プラス１は、歴史的にイランと関係の深いドイツである。この６カ国をＰ５＋１と呼ぶ。</p>
<br />
<p>また１月末にはＩＡＥＡ（国際原子力機関）のハイレベルの調査団がイランの招待で同国を訪問する予定も組まれていた。このような時期に欧米が暗殺を実行するだろうか。</p>
<br />
<p>欧米の関与に否定的な見方をするさらに大きな根拠は、欧米でイランとの戦争を望んでいる国は存在しないという事実である。戦争が起これば、石油価格は天井を抜けるだろう。それは世界の景気への大きな打撃となろう。ＥＵは、ユーロの生き残りをかけて危機の連鎖に対応している最中である。また石油価格の高騰は大統領選挙を前にしたオバマ政権も避けたいシナリオである。こうした状況で、欧米の諜報機関によるイラン人専門家の暗殺が起こりえるだろうか。しかも、この時期に。</p>
<br />
<p>それでは欧米が関与していないとすると、誰が残るだろうか。</p>
<br />
<p>イスラエルである。イスラエルはイラン核問題の平和的な解決を望んでいないのだろうか。イスラエルが、平和的な解決を望んでいないわけではない。しかし同国は、平和的な解決を不可能だと見ている。これまでの欧米の交渉姿勢からは、なんらかの形でのイランによるウラン濃縮の継続を認める可能性が見て取れる。</p>
<br />
<p>しかし、・・・・・<a href="https://astand.asahi.com/loginpage.html"></a>
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 </p>
<br />
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</p>]]></description>  
      <link>http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11153846852.html</link>  
      <pubDate>Fri, 03 Feb 2012 09:28:44 +0900</pubDate> 
    </item> 
  </channel> 
</rss>

