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    <title>【要】通信</title>  
    <link>http://ameblo.jp/kaname-tsushin/</link>  
    <description>編集工房【要】による月１コラム</description>  
    <language>ja</language>  
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    <item> 
      <title>〈47〉がんばる？</title>  
      <description> <![CDATA[ 横綱に「がんばってください」と言ったところ、「（日本一強い男であるところの）俺にがんばれとは何事だ！」と横綱の自動車に引きずり込まれて殴られた人がいるという。お気の毒なことだ。たしかに「がんばれ」という言葉は、相手の健闘を祈る意味で、安易に使われすぎているかも知れない。これ以上、何を努力すればいいのか、あるいは、さらに努力するのはどれだけ大変なことか知っているのかと、反発を受けることもあるだろうし、こうやって生きていくだけでも大変なんですよ、ということもあるだろう。<br />

<br />

というわけで「頑張る」を辞書で見ると、岩波国語辞典には「１：忍耐して、努力しとおす。気張る。２：ゆずらず強く主張し通す。▽「我に張る」の意。」とある。「頑」の字じたい、角川漢和中辞典によれば「１：かたくな。頭のはたらきが鈍い。２：性質が片寄っていること。３：融通がきかない。４：むさぼる。」の意味だそうだ。なるほど。「がんばる」はもともと「こだわる」と同じように、濫用してはいけない言葉らしい。<br />

<br />

著書『がんばらない』で有名になった諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんは書いている。「『がんばらない』とは、『ギブアップしよう』という意味ではありません。むしろ逆で、『あきらめない、希望を捨てない』ことなんです。これまで十分がんばってきた人が思うような成果を上げられずに苦しんでいるとき、激励のつもりで言った『がんばれ』が、その人を傷つけてしまうことがあります。『がんばれ』という言葉には、『今のままじゃダメだ、もっとがんばれ』と、その人のがんばりを否定する響きがあります。だから本当は、『よくがんばっているね』と、その人のありのままの姿を認めて、そこから豊かな生き方をしていくことが大切なのです。」<br />

<br />

横綱の暴力は許せないが、彼の日本語感覚は結果的に正しかったようだ。もっと努力せよ、というのではなく、すごいね、よくやっているね、と賞讃したいときには、「がんばれ」がダメなら何と言ったらいいのだろう。「俺に向かってよくやっているとは何だ、お前は何様のつもりだ！」と殴られてしまうかも知れないが。　　（2010年2月6日）<br />
<br />
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      <link>http://ameblo.jp/kaname-tsushin/entry-10452802787.html</link>  
      <pubDate>Sun, 07 Feb 2010 12:25:22 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>〈46〉折れた心</title>  
      <description> <![CDATA[ <p>77歳と最高齢の閣僚、藤井裕久財務相が辞任した。朝日新聞は小沢幹事長との確執で「心折れた？」と書いた。民主党内では財政通とされ若手からも信頼されたのは、大蔵省主計局勤務、佐藤・田中内閣下で官房長官秘書官、細川・羽田内閣で大蔵相、というキャリアからだ。そして今回は最後のご奉公と、新政権下での初の予算案作成という困難な仕事を、さまざまな横槍に対応しつつ終えたところだった。官僚の国会答弁禁止を原則化してしまった以上、藤井氏なしに国会の予算審議を乗り切ることは難しいだろう。国会がもつれれば年度内に予算が成立せず、通常国会は延長されて参院選は任期満了後の8月になる。</p>
<br />
<p>藤井氏はどんな仕事をしたのか。12月28日に閣議了承された来年度予算案を見る。今年度に比べて公共事業関係費を1兆2970億円削り、社会保障関係費を2兆4342億円増やしている。子ども手当、高校の実質無償化、農業の戸別所得補償、高速道路無償化の段階的実施、年金記録問題への集中対応、医師不足解消の段階的実施、雇用対策。いちいち批判的に検討すればきりがないが、自公政権ではありえなかった改革が始まるかに見える。なお、事業仕分けで切り捨てて評判の悪かった、科研費補助金、漢方薬の保険適用は復活した。</p>
<br />
<p>もうひとつ注目すべきなのは、藤井氏が会長として12月22日にまとめた政府税制調査会の税制改正大綱だ。むしろこちらのほうが斬新で、小沢氏の持論との相性は悪いだろう。すぐに、というわけではないが、社会保険と税金の徴収窓口を一本化する。所得の多い者からより多くの税金を徴収する。株でもうけた利益の課税率を「見直す」。法人税率を見直す。中小企業には「できる限りの配慮」をする。地球温暖化対策のための税を検討する。等々の項目が並び、資料を含めて全112頁の文書になっている。「既得権益を見直す」「支え合いのために必要な費用を分かち合う」という表現は心強い。藤井氏は昨年春にはこれらの税制改革についての持論を精力的に諸雑誌に書いていた。</p>
<br />
<p>民主党の中に混在している福祉重視政策と弱肉強食政策との矛盾が、予算審議の形で目の前に現れようとしている。その幕が開く前に、担当者が心折れ引退した。はて。（2010年1月6日）<br />
</p>
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      <link>http://ameblo.jp/kaname-tsushin/entry-10428711904.html</link>  
      <pubDate>Thu, 07 Jan 2010 11:46:44 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>〈45〉定額給付金の行方</title>  
      <description> <![CDATA[ <p>忘れないでおこう。「定額給付金」なるものの給付が発表されたのは昨年10月30日のことだった。麻生内閣のもとで、公明党の政策「定額減税」の代わりだったから、自公政権の延命策というか、最後の断末魔だったわけだ。実施は自治体への丸投げだから、申請手続も支給方法もさまざまで、何かと物入りの年末にもらえるかと思ったら、いちばん早い自治体でも3月5日の支給だった。</p>
<br />
<p>評判は最初から悪かった。約2兆円を配分するといっても財源は結局税金なのだから、国民にとっては払った税金の一部が返ってくるにすぎない。資産にかかわりなく1人12000円、65歳以上と18歳以下は20000円というのは悪平等だ。給付対象者は住民登録をしている世帯主だから、いちばん生活に困っているはずのホームレスも、夫の暴力を避けて家出した妻も受け取れない。支給日を狙ったサギ事件があり、支給日当日に住民税の差し押さえをする自治体もあった。多くはそのまま預金されたから、市場活性化というような経済効果があったとも思えない。</p>
<br />
<p>で、どうなったか。12月4日の総務省発表によれば、受け取ったのは対象者の97.6％で、約130万世帯は申請せず、190億円が国庫に戻る。申請しなかったのは、制度への反対者や自治体が転居先をつかめず申請書が届かなかった者だろうという。むしろ高年独居者など、制度を知らなかった者、理解できなかった者、利用しにくかった者が多いのではないか。</p>
<br />
<p>寄附を訴えた自治体も多かったが、まことに低調だった。朝日新聞調査では、浜松市で62万3千円（朝日報道では市の人口が記されていないので、市のホームページを見ると、82万4640人、つまり1人当たり1円に満たない。以下同）。長野市（38万1955人）で50万3千円。山形市（25万4673人）で14万円。川崎市（141万0395人）で23万5千円。大阪市（266万3096人）で99万2千円。これらはいったん受給した後で寄附の手続きをする必要があったからだし、広報も不徹底だったのだろう。ところが給付金申請書に寄附申込書を同封して自動的に寄附ができるようにした横浜市（367万3094人）では9778万7812円。1人当たり26.6円に過ぎないが、やればできるじゃない、ということだ。面倒な仕事を押しつけられた自治体は災難とも言えるが、この程度の発想もできなかった圧倒的多数の自治体のお役人の頭の中を見てみたい。（2009年12月6日）</p>
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      <link>http://ameblo.jp/kaname-tsushin/entry-10405415413.html</link>  
      <pubDate>Mon, 07 Dec 2009 09:11:27 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>〈44〉撮影者はどうなったのか</title>  
      <description> <![CDATA[ 久し振りに東京・夢の島の第五福竜丸展示館を見学した。少し前に長崎原爆資料館の雑踏・喧噪を経験したところだったので、静謐がありがたかった。職員によれば「少し前まで小学生の団体がおられて、賑やかでした」とのことだが。ビキニ被災50年を過ぎて、展示がかなり充実したように思われた。あらためて思うのは、1954年当時、22歳の船長をはじめとして23人の乗組員がみな若いことだ。18歳から39歳まで、平均年齢25。60歳超が半数という現在の漁業者ならみな慨嘆するところだ。その若者たちが、懸命に航海技術を学んだノートを残し、航海日誌、病床日誌を残している。<br />

<br />

展示されている1枚の写真が気になった。ビキニでの原爆実験現場の写真であって、目の前の海中から巨大な水柱が上がり、その上にキノコ雲が形成されつつある場面だ。手前にヤシの木や粗末な小屋、桟橋などがあり、水柱の周辺には船がたくさん浮かんでいるところを見ると、爆風や津波はまだ届いていないのか。望遠レンズを使っているとしても、いかにも近くからの撮影だ。カメラマンはどのような防護態勢で撮影に臨んだのだろう。米国ネバダの核実験見学ツァーのような、日食観測に似た黒眼鏡だけでは不足だろう。リモコンだとしても、機材は被爆する。<br />

<br />

1994年に美術出版社から刊行された原子雲写真集『アトムの時代』に、同じ写真が収録されていた。上山明博さんの解説によれば、第五福竜丸の被災に先立つ1946年7月25日の公開原爆海中実験の写真だ。米国はただ1回の核実験ののち広島・長崎に原爆を投下し、11か月の空白期間の後、7月1日、25日と続けて核実験を行ったのだった。敗戦国ドイツと日本の軍艦を近くに並べ、その甲板にはブタ・ヤギ・ネズミが乗せられている、というショーだった。見学者は4万人を超えたという。<br />

<br />

広島・長崎は言うまでもなく、世界の核実験場で多数の被爆者が出た。核問題はまず被爆者の目で見たいと思う。しかし国威発揚のため、核実験現場で記録写真を撮影したカメラマンたちは、その後どうなったのだろうか。私が注目した写真のクレジットは「Bettmann/PPS」になっているが、もとは米軍からのプレスリリースだろう。（2009年11月6日）<br />
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      <link>http://ameblo.jp/kaname-tsushin/entry-10382758728.html</link>  
      <pubDate>Sat, 07 Nov 2009 13:15:56 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>〈43〉ミンシュラン</title>  
      <description> <![CDATA[ <p>左翼系というよりはアナーキーな反体制系の出版社、第三書館から『民主党WHO'S WHO　ミンシュラン［全議員版］』という本が出たので、さっそく購入した。編者は「ミンシュランリタイヤ（シンクタンク）」。むろん、ミシュランタイヤの『ミシュランガイド』のパロディですね。衆参417人の民主党議員についての基礎データを一覧、人物評価を政策構想力・情報発信力・人気収束力について★印で採点している。最高は三つ星。主にネット情報で編集しているようなので、細かな話をするには個々のデータを検証しなければならないが、傾向を知るうえでは便利な本だ。</p>
<br />
<p>★印はともかく、この本のデータをもとに、民主党議員の出自をカウントしてみる。もと自民党が49人。党名をいちいち挙げているときりがないが、もと保守系諸党が61人。もと社会党（社民党を含む）が22人。もと民社党が13人。もと公明党が2人。あとは民主党プロパーだ。自民党が派閥連合で保守勢力をまとめていた時代が完全に終わったことを、この数字は良く示している。そして、旧社会党の主流はいまや民主党にいる。自社「対立」を主軸とした55年体制は、90年代の自民党溶解、村山政権、「自民党をぶっ壊す」小泉政権を経て、確実に終わった。</p>
<br />
<p>別なくくり方をしてみる。もと地方自治体の首長・議員経験者が102人。2世議員がけっこう多いとしても、ちゃんとドブ板を経験している人がたくさんいるのだ。庶民の期待を担っている以上、新自由主義改革をさらに進めることはもはやできにくい。労組出身者が31人。総評労働運動の解体をよく表現しているのだろうか。もと官僚が27人。これだけいれば、官僚の思考回路が分からなくて困ることはない。もとジャーナリスト（広い意味で）が32人。権力をチェックすることを辞めて権力になる人の感性を、私は理解できない。</p>
<br />
<p>しかしまあ。このようにトータルに見て、やはり小沢一郎さんの権力奪取の信念のすごみを改めて感じる。小沢一郎政治塾をシコシコと続けてきたのが、いま実ったわけですね。さて、遠からず行われる小鳩政権の所信表明演説を、まずは聞かせていただきましょう。（2009年10月6日）</p>
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      <link>http://ameblo.jp/kaname-tsushin/entry-10359003293.html</link>  
      <pubDate>Wed, 07 Oct 2009 09:16:07 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>〈42〉長谷川正安 vs 鳩山由紀夫</title>  
      <description> <![CDATA[ <p>日本で「マルクス主義法学者」を自称する人は、この人で最後だったのかもしれない。名古屋大学名誉教授の長谷川正安先生が8月13日に亡くなった。戦後日本には互いに矛盾する憲法と安保との2つの法体系がある、という主張に初めて接した学生時代には、文字通り目ウロコだった。晩年に憲法について書かれたものから、いくつか引用しておきたい。</p>
<br />
<p>「自民党は野党になることによって、はじめてその基本的政策を実現したという皮肉な展開になる。なぜそうなるのか。私たちは、政権交代によって少しも変化しない日米安保体制と『二つの法体系』から、昭和憲法をふりかえったとき、はじめてその真因を理解することができるであろう。」これは1994年の岩波新書『日本の憲法』第3版の末尾。細川・羽田政権下で小選挙区制・コメ自由化・消費税引き上げ等が行われたことを挙げて、安保条約がある限り憲法は実現されない、と言っているわけだ。</p>
<br />
<p>「私はこんなことを言ったような気がする。そもそも憲法を尊重せず、守ろうとしない政党や議員が、たとい憲法を改正して新しい憲法を作ったとしても、憲法を尊重し、守る気などはじめからないのだから、折角の改正も無駄ということになる。現在改正に反対している議員や政党の方が、憲法が改正されたら、それを尊重し、守るようになるかもしれない。」これは2000年3月に衆議院憲法調査会に参考人として出席したときの話で、2002年の新日本新書『憲法とはなにか』の冒頭近くに出てくる。</p>
<br />
<p>9月16日に首相に就任することが確実視されている鳩山由紀夫さんは、改憲をめざす「新憲法制定議員同盟」の顧問でもある。憲法99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定めている。このあたりを曖昧にした小泉・安倍・福田の各内閣と峻別したければ、まずは鳩山さんは新憲法制定議員同盟の顧問を辞すべきではないか。長谷川先生なら、必ずそう言われたと思う。（2009年9月6日）</p>
<br />
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      <link>http://ameblo.jp/kaname-tsushin/entry-10337367451.html</link>  
      <pubDate>Mon, 07 Sep 2009 09:01:53 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>〈41〉ゴーヤーの心</title>  
      <description> <![CDATA[ <p>　地球温暖化のおかげか、東京のマンション10階ベランダでもゴーヤーがすくすく育って、収穫期を迎えた。棚作りにすれば果実は垂直に垂れ下がって見目良くなるというが、緑のカーテンの実用性を考えると、これでいいのだ。</p>

<br />


<p>　ウリ科、学名Momordica charantia、標準和名はツルレイシ。九州ではニガウリと呼ぶらしい。壇一雄はニガゴリと書いた。図鑑で調べると原産は「熱帯アジア」（ずいぶん大雑把）、中国を通じて江戸時代に沖縄・九州に伝わったと書いてある。琉球王国の船が直接沖縄にもたらしたとしても不思議ではないのだが。いまや東京のスーパーマーケットでもポピュラーになったのは、なんといっても2001年のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」のおかげで、沖縄名ゴーヤーが一般化した。</p>

<br />


<p>　『沖縄大衆食堂』『住まなきゃわからない沖縄』などの著書で沖縄ブームを支えている仲村清司さんは、大阪生まれのウチナンチュ2世、10余年前に那覇に移住した。子供のころはゴーヤーを弁当のおかずに持っていって級友にバカにされ、「貧乏な沖縄、差別される沖縄の象徴」としてゴーヤーが嫌いだったという。大阪の人に聞くと、万博のころでも被差別部落の場合と同じように「琉球人」差別、「朝鮮人」差別がアタリマエだったというが、東京ではその深刻さがなかなか実感されない。幸いにアムロ（ガンダムでなく歌手のほう）ほかの活躍以来、沖縄差別は解消の方向に向かっていると思うが、沖縄が米軍基地に埋まっている状態は解消に向かわない。ヤマトンチュとして恥ずべきことだ。</p>

<br />


<p>　8月は戦争を考える季節。むろん広島・長崎をまず考えるけれども、ゴーヤーを食べながら沖縄のことも考えたい。『一坪反戦通信』や『けーし風』を読み、マスコミの報じない沖縄を考えるということだ。ところで、5月8日を「ゴーヤーの日」と決めたのは誰？（2009年8月6日）</p>

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      <pubDate>Fri, 07 Aug 2009 11:15:11 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>〈40〉臓器法案と子どもの医療</title>  
      <description> <![CDATA[ <p>A～Dの4案あって自公民いずれも党内で意見が割れ、患者諸団体でも意見が割れていた臓器移植法改正案が、A案で衆院を通過し、参院で審議中だ。要するに脳死認定→臓器移植の閾を下げて移植により助かるケースを増やしたい、という法案のようだが、これだけ意見の割れているものを今なぜ、という感じが否めない。WHO（世界保健機関）が外国での手術の規制に乗り出すからとも言われるし、国会審議を引き延ばして現政権を延命させる方策とも言われる。</p>
<br />
<p>この間、深く納得した発言を3つ挙げておきたい。第1は6月30日の参院厚労委での小池晃議員（共産党）の質問。この人はもともと医師だ。彼は1997年の臓器移植法施行後、移植は81例あるが、脳死判定要件を満たしたかどうか等の検証はそのうちの55例であり、検証が公開されているのは34例に留まるという。臓器移植は意外と例が少ないのだな、だから待機している患者さんが多いのだな、という気もするし、ずさんに脳死判定がなされてはたまらないな、とも思う、</p>
<br />
<p>第2は本日の朝日新聞に掲載された、静岡県立こども病院の上田育也医師の談話。「米国に比べ医療機能が集約化されていない日本の医師は小児の脳死にかかわる経験が乏しい」「救命治療をしっかり行う。それでも救えず、家族が同意した場合に提供するのが大原則」「日本は1～4歳の死亡率が他の先進国と比べて高い」「救急医療体制を整えずに法改正をしても、臓器移植への理解が得られず、小児の移植は増えない」。そうなんだ。にもかかわらず八王子・清瀬・梅ヶ丘の3小児病院をつぶそうとしている石原都政はいったい何を考えているのか。</p>
<br />
<p>第3は昨日の朝日新聞に掲載された神戸の額田勲医師の意見。「幼児救急における日本の致命率が先進国で最悪という事実」「医療崩壊により瀕死の幼児に適切な救命・救急を提供できず、本来なら救えた命が無惨にも失われている」「低医療費政策の下で限られた医療資源を効率的に配分しなければならない厳しい現実を前にし、脳死・臓器移植と医療全体の整合性を図る本質的な論議は最優先のはずである」。なるほど。（2009年7月6日）</p>
<br />
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      <pubDate>Tue, 07 Jul 2009 09:24:39 +0900</pubDate> 
    </item>  
    <item> 
      <title>〈39〉冤罪事件をつくるのは誰か</title>  
      <description> <![CDATA[ <p>足利事件の再審請求で、17年にわたり服役中だった菅谷さんが釈放された。好きなコーヒーを飲み過ぎて1時間しか眠れなかった、冤罪が晴れたことを知らずに亡くなった両親の墓参りがしたい、というコメントが切ない。暴力による「自白」と不完全な「DNA鑑定」によって彼を有罪にした警察・検察・裁判官の責任はもちろん大きいけれども、寄って集って犯人扱いしたマスコミ、その報道を信じた私たちはどうなのか。</p>
<br />
<p>裁判員制度が始まる。人を裁くという苦しみ、あるいは権力行使の喜びを誰もが体験できる機会が生まれる。宝くじと違って、買わなくても当たる。私は人に有罪を言い渡すことができるほどの者ではございません、と信条を語ればパスできるかも知れない。君のような偏った思想信条の持ち主は採用されないから安心せよ、と言ってくれる親しい弁護士もある。なるほど。けれども、本来、人を裁くなどという辛い仕事を忌避したいからこそ裁判官というプロを国民は雇っているのだ、任せればいいのだ、という論理には、ちょいと待てよ、と思う。プロとしての誇りが持てるだけの仕事には、それなりの他者のチェックが必要だ。チェックができない貧しい国民には、貧しい裁判しか与えられないと思う。その結果が冤罪なのではないか。司法権力には司法の、民衆には民衆の役割があるだろう。</p>
<br />
<p>それにしても日本国民救援会の機関紙『救援新聞』を見ていると、冤罪事件の多発に慄然とさせられる。再審進行中の事件には名張毒葡萄酒事件・袴田事件・布川事件・東電OL殺人事件等々があり、再審準備中の事件に大崎事件・明倫中事件・北陵クリニック事件等々がある。</p>
<br />
<p>日本弁護士連合会は6月4日に会長談話を発表した。「本件は、冤罪であっても容易に自白に至る現実を改めて明白にしたものであり、取調べの全面可視化の要請は一層強まったというべきである。」　（2009年6月7日）</p>
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      <link>http://ameblo.jp/kaname-tsushin/entry-10276421706.html</link>  
      <pubDate>Mon, 08 Jun 2009 09:05:58 +0900</pubDate> 
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      <title>〈38〉ふたつのプラハ発言</title>  
      <description> <![CDATA[ <p>オバマ大統領が4月5日、プラハで「核兵器のない世界」に向けての演説を行ったことが、波紋を広げている。日本のマスコミでは「核兵器を使ったことがある唯一の核兵器国として、行動する道義的責任がある」というくだりが好意的に評価されている。確かに広島・長崎への原爆投下を正当化し続けてきた米国で、moral responsibility とはかなり踏み込んだ、画期的な表現ではある。</p>
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<p>オバマはロシアとの間で戦略兵器削減条約を交渉すると語り、包括的核実験禁止条約の批准をめざすと語った。演説は例によってTogether we can do it. で結ばれている。しかし核廃絶は「おそらく私が生きている間にはできないだろう」とも言い、「核兵器が存続する限り、敵を抑止するための、安全で、厳重に管理され、効果的な核戦力を維持する」とも言っている。そして米国核戦略の基本、核先制攻撃とミサイル防衛を含む2002年の「核態勢見直し」の見直しについてまったく触れなかったことは、彼の姿勢の曖昧さを示している。何よりもなぜプラハで核軍縮を語ったかといえば、米国のミサイル防衛網導入に協力するチェコのトポラーネク首相の地位が、反対運動の高まりの中でゆらいでいるからだ。</p>
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<p>麻生首相はこの連休中に渡欧してEU首脳と会談した。5月4日にはプラハでの共同記者会見でオバマの「核兵器のない世界」発言にふれ、「来年の早い時期に核軍縮の会議を日本で開催したい」と語った（毎日新聞）。5日にはベルリンのフンボルト大学で講演、ここでもオバマ発言にふれて「開かれた歴史的なチャンスを欧州とつかんでいきたい」と語った（時事）。首相官邸ホームページにはまだ掲載されていないので発言の詳細は不明だが、金融・経済危機のテーマ以上に注目されたとは思われない。</p>
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<p>「唯一被爆国」だけを売りにする日本では、核廃絶へのリーダーにはなりえない。なぜなら米国の「核の傘」に入ることを安保政策の基本とするばかりでなく、沖縄返還に際しては核兵器の有事持込容認の密約を結び、今またミサイル防衛に2兆円を支出する日本の首相、たびたび独自核武装論が飛び出す自民党の総裁が核廃絶を語れば、「オマエが言うな」と言われてしまうのも当然だからだ。　（2009年5月6日）</p>
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      <pubDate>Thu, 07 May 2009 09:02:56 +0900</pubDate> 
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